厚生労働省は25日、海外で急増している原因不明の子どもの急性肝炎について、当てはまる可能性がある入院患者が 国内で初めて1人報告されたと発表した。厚労省は自治体に対し、注意喚起を行うとともに同様のケースの報告を求めている。 https://www.yomiuri.co.jp/national/20220425-OYT1T50200/ 厚労省によると、小児は16歳以下で、21日に医療機関から自治体を通じて連絡があった。肝炎ウイルスなどの ウイルス感染は見つかっていない。詳しい症状は公表されていないが、肝移植は受けていないという。 世界保健機関(WHO)によると、こうした子どもの急性肝炎は、21日までに英国を中心に12か国で169人 (生後1か月〜16歳)が報告されている。約1割にあたる17人が肝移植を必要とする重篤な状態になり、うち1人が亡くなった。 海外の患者は、下痢や 嘔吐おうと などのほか、重度の急性肝炎による黄だんがみられた。いずれも肝炎ウイルスには感染していなかった。 胃腸炎や風邪の原因となるアデノウイルスの感染例が多く、発症に関わりがある可能性も指摘されている。 森内浩幸・長崎大教授(小児感染症学)は、「詳細は分からないが、肝炎を引き起こすようなウイルスは、手洗いや、 食品衛生を保つことで防げることが多い。新型コロナと同様の対策を、家庭や保育現場で改めて徹底することが重要だ」と話している。